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#5 標準仕様

 先日、ある方から「雑感」のページが見にくいという趣旨の御指摘を受けました。大変ありがたいことです。このページは、クロスプラットフォーム(っていうんでしたっけ?ようするに、ブラウザや機種に依存しないページ)を実現しようというコンセプトで作成しています。実際に作成するにあたり、機種に依存する文字を使わないとか、特定のフォントを使わないとか、いろいろ考えているのですが、唯一全く考えていなかったことがありました。それは「解像度」です。僕の環境はモニタは15インチなのですが、解像度は1024×768です。御指摘をいただいた方は、同じ15インチでも、解像度が800×600ということで、見にくいのでは?という指摘をいただきました。横にスクロールしないと全体が見えないらしいです。
 たしかに、縦のスクロールはあまり気にならないものの、横スクロールはなんだか面倒。この際、800×600を基準にしたほうが良いのだろうか?とも思うのですが、一体世の中の標準は何だろう?と思う。やっぱり一般的には800×600なんでしょうか?
 そんな事を考えだしたら、「業界標準」とか「標準」とか、そういうものって一体なんなんだ?と思うようになった。その昔、ビデオの仕様でVHSとβがあったように、商業上の理由から仕様がたくさんある業界がある。パソコンの世界でも、WindowsとMacintosh、UNIXなど、様々なOSが存在する。ただ、「本質的に良いものが生き残るとは限らない」というのは言えるような気がする。物事には利点と欠点があって、すべてにおいて納得のいくものなどないと思うのだが・・・。どんなに良いものを作ったとしても、あまりにも良いために潰されてしまうものもあるだろうし、めちゃくちゃ粗悪なものでも、トレンドに乗れば一気にブレイク!となるのは事実。そうなると、技術屋とマーケターの対立はすさまじいものがあるんだろうなぁと想像する。ようするに、あまりたいしたレベルでない物を作ったとしても、情報操作や戦略によって、業界標準といわれるものにしてしまうこともできるわけだ。
 作った側が意図的に業界標準にしてしまった物ってたくさんあるんだろう。そういう観点から物事を観察してみると結構おもしろい。最新技術にばかり目がいっている会社、既存の技術を効率よく組み合わせている会社、なんだかよくわからんが他の会社の真似をしている会社・・・
 日本人は一般的に「世界初」とか「限定何個」とか、そういう言葉に弱いらしい。なぜだろうか?優越感に浸れるのだろうか?多分表面的な部分を見て判断するんだろう。機能性とか、技術の高さとか、そういうことはあまり重要ではないのだろう。
 例えば自動車は、日本人というのはインテリアや内装のデザインにうるさいらしい。欧米の車が機能重視設計なのに対して、日本の車はデザイン重視らしい。木目デザインやカーボンもどきが受けているのは日本が大半らしい。
 また、iMacが爆発的な人気を集めたが、購入理由を見るとこれまたおもしろいことが判明する。日本人の購入理由は「デザインが良いから」というのが圧倒的なのに大して、欧米などでは「ケーブルの取りまわしが楽なうえにデザインも良い」という理由が多いらしい。実際自分が統計をとったわけじゃないから本当か嘘かはよくわからないが、日本人の特性とはそういうものらしい。
 人それぞれのセンスの問題だろうが、技術とデザインがうまく噛み合ったものが本質的に良いものなんだろう、きっと。