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#23 腹黒い(?)

 今日(というか昨日)の正念場をなんとか乗り切ってほっと一息。でもまだなんの解決にもなってないんだよなぁ・・・。
 ここ最近、頭を使うというか、いろいろと考えることが多い。まさか自分の仕事がこのタイミングでなくなるなんて思ってもいなかったし、そういう立場に自分は置かれているという事を忘れていたというか、少し甘く考えていたのかもしれない。目の前で起こってしまった事をただ嘆き、愚痴を言う人もいるけど、その先を考えないとどうしようもないのではないかと思って、いろいろと考えている。本来なら、部下の事や組織のことを第一に考えなければならない立場に自分は置かれていて、自分を後回しにしなければならないのは当然なんだけど、やっぱりまだまだ自分が大事で、自分の事を考えてしまう自分が居て、そういう自分に気づいた瞬間、すごくやるせない気持ちになるし、情けなくもなる。でもやっぱり自分の事が可愛くて・・・という無限ループに入ってしまって、とても辛い。
 それでもやっぱり先を見越して考えなければならないのが今の状況。当然自分ひとりの力ではどうしようもないけど、幸い一緒になって考えてくれる人がいて、いろいろ相談にも乗ってくれるし、いい上司(本当は自分の上司ではないけど、ある意味上司みたいな人。最初出会ったときは、お互い「誰だ?」って感じだったんだけど、今では良き理解者になりつつあるような気がする人。)に巡り合えたなと思っている。その人はいつも前向きで、戦略的で、すごく尊敬できるんだけど、朝はめっぽう弱いらしい。(笑)
 よく、冗談半分に「腹黒いよなぁ」なんてその上司(と一応呼んでおく)とお互い言い合っているけど、その人は自分と似ている所もあって、そう考えると自分もやっぱり腹黒いのかなぁなんて真面目に思う。(笑)
 思うに、腹黒いという言葉が適しているかどうかは別として、戦略的に考えたり、組織のことを考えたり、今後のことを考えたりすると(広い視野で物事を考えると)、打算的になるし、計算高くもなるし、理論的にもなるのではないかと思う。それは何も考えないよりはいいし、考えて実行に移せる行動力が伴ってこそ腹黒いということになるような気がする。「腹黒い=本質を見極める力を持ち合わせている」という言い方もできるんじゃないかと思うのだが、どうなんだろうか。
 ただ考えるだけじゃなくて、それを本当に実行に移して、最終的に実現してしまうには、とてつもなく大きなパワーが必要で、時には不安を抱えながら、その不安に自分が負けてしまわないように無理することもあるし、反対派ともうまくやっていかなくてはいけないけど、利用できるものは徹底的に利用して、物事を動かしていくことの大変さや面白さも味わっている気がする。
 最近は「会社」というものが少しずつだけどわかってきて、その中で思ったことは、よい上司はよい部下に恵まれているんだなと思うことと、組織が成り立たない原因は、上司よりも部下のほうが腹黒さ(敢えて腹黒いと表現する)を持っている事なのではないかと思う。それが正解かどうかはわからないけど、今はそう思う。
 この仕事を始めたころ(というより、つい最近まで)は、目の前のことに精一杯で、全体が見えていなかったし、いろいろと勘違いしていたり自惚れていたりしていた事もあった。多分それが原因で自分では気づかない間に失ってしまったものもあると思うし、実際に失ったものもあった。でも、プロジェクト終了通告を受けて(しかも突然)今後の事を考えるようになって、今までとはまた違った感覚を持てている気がするし、まだまだ自分に足りない部分も多いなと感じている。これは自分一人でできたことではなくて、先に書いた上司が、一緒に商談に行った帰り道、「Mに足りないものはここだな。まだまだだよ」と言ってくれたことも大きな影響。しかもここ8ヶ月は、自分で言うのもなんだけど、褒められたり高い評価を得たりしていただけで、誰も自分に足りないものを指摘してくれなかったし、厳しいことも言われなかった。それに甘えて変な勘違いをしていた自分に対して、足りないものを指摘してくれたという事がすごく嬉しかったし、この人とは今後一緒に仕事をしていきたいと思えた瞬間だった。
 仕事を始めてたかだか数ヶ月、現場しかしらない人間に、大きな視点を持たなければならない商談なんて成功するはずがないのに、その商談の席に同席させてくれた事も感謝しなければならないなと思っている。
 多分新年になってもこの混乱は続くだろうけど、「あんなこともあったけど、よく乗り越えたよなぁ」と言えるようにしたいなと思っている。とりあえず仕事を探さないと。というより、仕事を取ってこなきゃ。