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#20 天竜川

 とても大切な存在が、とても遠くなってしまいました。原因を追究しても仕方がない。受け入れるしか仕方ない。そんな気持ちです。
 いろんな事が思い出され、いろんな気持ちになりながら、一つずつ整理しながら、受け入れながら、流れる歌の歌詞が、今までは自分とは関係無い事のように思えていたのに、今はとても現実的で。。。
 これからの事も想像なんてできなくて、無理して何かを考えるよりも、時間が解決してくれるだろうと思いながら、東名高速を走り、天竜川を渡りました。この天竜川の近くの富士川は電気の周波数が切り替わる基準となる川です。(中部電力のサイト参考)電気には、発電機の違いから、50Hzと60Hzの周波数があります。たしかこの川を境に東側が50Hzだったかな。今まで何回かこの川を渡りましたが、今日はちょっと違いました。ふと「あー、天竜川か。そういえば、富士川を境に周波数が切り替わるんだよな」なんて思ったのですが、それと同時に、なんだか自分の気持ちまで変わってしまったように感じました。今までの自分とこれからの自分、それがこの川を渡る事で切り替わるような、そんな気持ちになりました。そんな簡単に気持ちは変わらないのに、なぜか、この川が、気持ちを整理する助けになってくれました。本当は、電気の周波数が違えば、家電は機能しないのですが、今の家電はどちらの周波数であっても対応するように開発されています。そんな器用な人間になれていたなら、大切な存在が、もっと近くになったのかもしれない。どちらの周波数にも対応できるような技術を開発した人のように、理想と夢と目的をもって、それにまっしぐらに進んでいたら、大切な存在が遠くなってしまう事はなかったのかもしれません。
 そんな事を考えても、もう元には戻れないことは充分わかっているのに、やっぱり考えてしまいます。
 今度天竜川を渡る時は、どんな気持ちになるのだろう。