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いやぁー、すっかり更新が遅くなってしまいました。(って誰か更新を期待してくれているのだろうか?もし期待してくれている人がいたらメールください) 昨シーズン最もつまらなかったGPと言われたスペインGPが今年も開催されました。今年はM.シューマッハが予選で大健闘を見せ、「これはおもしろくなりそうだ」と期待していたのですが、今回のFerrariはどうやら歯車が合っていなかったようですね。 ●天候の変化でタイヤは結果的にミスチョイス ●M.シューマッハが給油マンを轢く ●M.シューマッハのタイヤがスローパンクチャーした など、要因はいろいろあったのですが・・・。 さて、観戦記はまた改めて書くとして、今回は、「HANS」というドライバーの安全を助けるための装置について少し紹介したいと思います。このHANSはドライバーの安全を最大限確保するために開発が進んでいるもので、Mercedesが中心となって開発しているようです。各種雑誌などに頻繁に取り上げられるようになったので、いよいよ実用化されるようですね。僕がHANSを初めて知ったのは、今シーズン開幕前でした。それ以来改良が進められてきたそうですよ。 ![]() これら安全装置の開発の目的は、正面と、現実に起こりうる衝突角度として最大30度までの斜め前方からの衝撃に備えたドライバー拘束システムの開発であった。 F1でクラッシュする場面は、タイヤバイリアなどの衝撃吸収装置に激突する場合と、F1の車同士が激突する場合である。一般の自動車でも同様であるが、クラッシュ(事故)からドライバーを守るには、シャシー構造を強化させればよいわけであるが、加えて重要な要素として、クラッシュの際に加わる大きなG(加速度)の問題がある。強固なモノコックがドライバーの外傷を防いだとしても、強い減速Gによって体内の器官が損傷する可能性がある。人間の場合特に頭部とクビのダメージは致命的なものになる。普通車の場合は、頭部のダメージの軽減にエアバッグ、首へのダメージの軽減にヘッドレストが用いられている。(F1ではヘッドレストはすでに使用されている)ならば、F1でもエアバッグを装着すればいいじゃないかと言うと、実はこれが非常に難しい。一般車で使用されているエアバッグは、車体が何かに衝突してセンサーが「一定の値」を超える減速Gを検出した場合に作動する。ところがF1の場合、この「一定の値」をどの程度にするかが非常に難しい。走行中の加速Gや横Gは普通車とは比べ物にならないぐらい大きく、サスペンションのストロークも極端に短いために、垂直方向の衝撃も強い。だから、縁石に乗り上げた場合などにエアバッグが作動してしまう場合もある。これはかえってドライバーを危険な状況にすることになってしまう。逆にセンサーの感度を低くすると、今度はクラッシュしたときに、エアバッグが作動しなくなってしまう。 また、エアバッグは1回反応してしまうと、それ以後は一切ドライバーを保護する能力を果たさない事も問題。一般車であればそれでも十分ドライバーを保護するかもしれないが、F1の場合はハイスピードクラッシュであるので、最初にバリアに衝突したあと、さらにスピンして他車にぶつかり、そしてまた周囲の物に衝突するという、2次、3次の衝突がある。この2次、3次の衝突に対応できないと、結果的にドライバーを保護できず、ドライバーの頭部はコックピット内部の至る所に激しく叩きつけられることになる。 ![]() 本文中の写真は雑誌「F1速報」のイメージです。イラストはFIAによるものです。 |